海外事業 撤退 (現地法人・工場閉鎖)をどう進めるか―清算コストと、事業譲渡・ M&A という選択肢

撤退

撤退 =清算ではない:事業譲渡(撤退M&A)で“託す”という考え方

地政学リスクの高まり、現地コストの上昇、産業構造の変化、サプライチェーンの再構築を背景に、アジアに拠点を持つ日本企業の間で、海外事業撤退や現地法人の整理が経営テーマとして浮上しています。工場閉鎖や現地法人の解散・清算を検討する局面では、退職金・原状回復・契約解除といった撤退コストに加え、清算の完了までに要する期間と、その間に現地へ置く人員が課題になります。

一方で、撤退の方法は清算だけではありません。現地法人の持分を第三者に譲渡すれば、雇用や取引関係を法人ごと引き継いでもらったうえで、事業から退くことができます。本稿では、持分譲渡・事業譲渡による撤退を「撤退M&A」と呼び、事業を続けられる相手(ベストオーナー)に引き継ぐことを「託す」と表します。そのうえで、清算との違いを、撤退コスト、期間と人員、雇用・取引とステークホルダー、情報管理の4つの観点から整理します。

数字でみる日本企業の海外事業撤退

経済産業省「海外事業活動基本調査」(第55回、2026年5月公表)によれば、2024年度末の日本企業の現地法人数は25,745社で、うちアジアが17,619社(68.4%)を占めます。同年度に進出先から撤退した現地法人は716社で、前年度の603社から113社増えました。地域別ではアジアが473社で、うち中国が279社、ASEAN10が149社です。撤退比率(撤退現地法人数を、現地法人総数と撤退現地法人数の合計で割った値)は、中国が3.8%と前年度の3.3%から上昇し、ASEAN10は1.8%で前年度と同じでした。なお、同調査の「撤退」には、解散のほか、売却・統合等による撤退・移転と、日本側の出資比率の0%超10%未満への低下が含まれ、清算と譲渡は区別されていません。

今後の方針を尋ねた調査では、中国を中心に縮小・撤退の意向が高まっています。日本貿易振興機構(JETRO)「2025年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」(2025年8〜9月実施、有効回答5,109社)では、今後1〜2年に事業を「縮小」または「第三国(地域)へ移転・撤退」するとした企業が計6.8%となり、前年の5.9%から0.9ポイント上昇しました。中国では、事業を「拡大」するとした企業が21.3%と調査開始以降で最低となり、同じ調査の中国編では「縮小」と「移転・撤退」が計14.4%でした。JETROは、中国で事業を縮小する理由として、取引先の他地域へのシフト、日本本社の調達方針の変更、日系企業の設備投資の減少、景気の低迷を挙げています。


撤退の3つの形:清算、閉鎖後の資産売却、持分・事業の譲渡

撤退の方法は、現地法人と事業(雇用・取引契約)がどうなるかで3つに分けられます。

  • 清算:現地法人を解散し、資産を個別に処分して債務を弁済したうえで、法人格を消滅させる。事業としては誰にも引き継がない
  • 閉鎖後の資産売却:生産を終了したうえで、土地・建物・設備をまとめて売却する。雇用契約や取引契約は原則として買い手に移らない
  • 持分・事業の譲渡(撤退M&A):持分譲渡では現地法人が存続して株主が替わり、雇用契約や取引契約は原則としてそのまま続く。事業譲渡では、雇用や契約を個別に移す手続きが要る

近年の公表事例は、この3つの形の違いを示しています。

合弁持分の譲渡:三菱自動車の中国事業

三菱自動車は2023年10月24日、中国での三菱ブランド車の現地生産を終了し、現地合弁の広汽三菱汽車(GMMC)について、同社と三菱商事が保有する持分を合弁相手の広州汽車集団(GAC)に譲渡して、GACの100%出資とすることを決議しました。GMMCの生産能力はGACのEVブランド「AION」で活用し、既存顧客へのアフターサービスは3社が協力して続けると公表しています。持分の売却は2024年1〜3月期に完了し、GMMCは同社の持分法適用の範囲から外れました(同社の2024年3月期有価証券報告書)。

同社は、この構造改革に関連して2024年3月期に連結で243億円の特別損失を見込むと公表していました。持分譲渡による撤退でも損失は生じますが、工場の生産能力は合弁相手の事業に引き継がれ、アフターサービスの体制も残りました。

閉鎖後の資産売却:スズキのタイ工場

スズキは2024年6月7日、全額出資子会社スズキ・モーター・タイランド(SMT)のラヨーン県プルアックデーンの工場を2025年末までに閉鎖すると発表しました。同工場は、ピーク時には輸出を含め年6万台を生産していましたが、2023年度の生産は7,579台で、従業員は約800名でした。SMTは閉鎖後も、ASEAN、日本、インドの工場から輸入した車両で販売とアフターサービスを続けるとしています。

報道によれば、生産は2025年末に終了し、2026年1月には、工場に隣接して生産拠点を持つフォードのタイ法人が、旧工場の用地(約412ライ)と建屋(約6万5,000平方メートル)を取得する契約を結びました。取得価格と引き渡しの時期は公表されていません。

この事例では、SMTは販売会社として存続し、生産拠点を閉鎖したうえで、用地と建屋を米国の自動車メーカーのタイ法人に売却しています。生産に従事していた従業員の雇用が買い手に引き継がれたかは公表されておらず、法人ごと雇用と取引を引き継ぐ持分譲渡とは性格が異なります。

製造子会社の譲渡:明治ホールディングスの中国乳製品事業

明治ホールディングス(以下、明治HD)は2026年7月21日、中国の牛乳・ヨーグルト事業とBtoB事業を、中国の上海澳雅食品に譲渡することを決議しました。対象には、牛乳・ヨーグルト等を製造する明治乳業(天津)と明治乳業(蘇州)(いずれも明治HDの100%出資)の全株式が含まれ、譲渡は2026年12月の予定です(同社が2026年7月22日に提出した臨時報告書)。製造子会社を法人ごと現地企業に譲渡する形です。

当社が公表情報をもとに集計しているアジア太平洋クロスボーダーM&Aレビューでも、2026年第3四半期(7〜9月)に日本企業が中国で行った売却・一部譲渡11件のうち、10件は中国企業または現地企業が買い手でした。


現地法人の解散・清算が内包する負担(撤退コスト/撤退スケジュール)

現地法人の解散・清算は「シンプルに終わらせる」手段として想起されがちですが、負担の多くは解散を決めた後に表面化します。以下、金銭で表れる経済コスト、期間と人員、雇用・取引とステークホルダーへの影響の順にみます。

経済コストと各国の補償金の規定

解散を決めると、退職金や未払給与の精算、契約解除に伴う違約金、在庫と債権債務の整理、税務・会計上の処理と、支出を伴う論点が続きます。設備を持つ製造拠点では、原状回復義務、設備の撤去・廃棄、環境対応、保税区の手続きや許認可の整理が加わり、見積もりの難しい項目が重なります。

従業員への補償は、各国の法令で最低水準が定められています。タイでは、使用者は解雇する従業員に、勤続年数に応じて次の解雇補償金を支払う必要があります(タイ労働保護福祉局の資料による)。

勤続年数解雇補償金(賃金の日数分)
120日以上1年未満30日分
1年以上3年未満90日分
3年以上6年未満180日分
6年以上10年未満240日分
10年以上20年未満300日分
20年以上400日分

中国では、使用者が解散を決めたことにより労働契約が終了する場合も、使用者は経済補償金を支払う義務を負います(労働契約法第44条・第46条)。金額は勤続1年ごとに月給1か月分で、6か月以上1年未満は1年、6か月未満は半月分として計算します。月給が地域の前年度の従業員月平均賃金の3倍を超える従業員については、3倍の額を基準とし、計算に含める年数も12年を上限とします(同法第47条)。いずれの国でも、勤続の長い従業員を多く抱える拠点ほど、補償の総額は大きくなります。

期間と人員

清算の手続きは、各国の会社法・税法・労働法の手順に沿って進めるため、一定の期間を要します。JETROクアラルンプール事務所のガイド(2019年3月)は、マレーシアの株主による任意清算について、決議から完了までの期間を18〜36か月程度とし、期間は資産の売却、債務の弁済、係争の有無、税務当局による確認に左右されるとしています。

清算人が手続きを担う場合でも、清算開始までの事業の停止、従業員・取引先への対応、資産の処分には、事業を知る現地の責任者と管理機能が要ります。撤退を決めた後も、日本からの駐在員を含む人員を現地に置く必要が生じる場合があり、その人件費と、他の拠点に振り向けられたはずの人材の時間が、撤退のコストに加わります。

なお、JETRO北京事務所の資料(2025年3月)は、中国の外資企業の事業再編・撤退について、清算か譲渡かを問わず、半年から1年前後の事前準備が必要となる可能性があるとしています。どの方法を取る場合も、検討の開始が遅いほど、選べる方法は少なくなります。

雇用・取引とステークホルダーへの影響

現地の従業員、取引先、顧客、地域社会との関係は、売上と操業の基盤であると同時に、企業の信用にも関わります。清算によって拠点がなくなると、雇用が失われるだけでなく、取引先には調達・供給やアフターサービスへの不安が生じます。前述の三菱自動車とスズキは、撤退の方法は異なりますが、いずれも生産の終了とあわせてアフターサービスの継続を公表しており、撤退後の顧客対応を撤退の計画に含めています。

撤退コストの内訳

現地法人の清算で発生しやすい主な撤退コストは、次のとおりです。

区分主な項目
従業員関連解雇補償金(法定額と、合意解約による上乗せ分)、未払給与、社会保険の精算、再就職支援の費用(国・地域による)
契約関係オフィス・工場の賃貸借の中途解約金、サプライヤー・業務委託契約の解約精算
資産・設備工場・設備の撤去費用、原状回復義務、環境対応のコスト
管理・手続き清算手続きの専門家費用、税務・法務の手続き、許認可の整理、清算完了までの駐在員・管理部門の費用

解散を決めると後戻りは難しく、これらの多くは確定的に発生します。撤退を検討する初期段階で洗い出し、譲渡を選んだ場合の負担と比べられる形にしておく必要があります。


事業譲渡・持分譲渡による撤退(撤退M&A)とベストオーナー

持分譲渡で引き継がれるもの

持分譲渡では、現地法人そのものは存続し、株主が替わります。中国の労働契約法は、使用者の投資者が変更されても労働契約の履行に影響しないと定めており(第33条)、従業員を解雇して補償金を支払う手続きは原則として生じません。JETRO北京事務所の資料(2025年3月)も、中国での出資持分譲渡の長所として、通常は人員整理や債権者への通知を要さず時間的コストを抑えられる点を挙げ、解散・清算の短所として、人員整理と経済補償金の支払義務を挙げています。

同資料は、持分譲渡の短所として、譲受先の探索が難航する場合があることと、取引条件の交渉で譲歩を求められる可能性があることを挙げています。三菱自動車の例のように、譲渡によって撤退しても損失が生じる場合もあります。事業譲渡は、譲渡する事業の範囲を柔軟に決められる一方で、雇用や契約を個別に移す必要があり、同資料は労使紛争が生じる可能性を短所に挙げています。

合弁の持分では、他の出資者の権利も確認が要ります。中国の有限責任会社では、定款に別段の定めがない限り、他の出資者に持分の優先購入権があり、通知から30日以内に回答がなければ放棄とみなされます(同資料)。他の国では、合弁契約や定款の定めによります。合弁相手は、最初に検討すべき買い手候補であると同時に、他の候補への譲渡の進め方を左右する立場にもあります。

ベストオーナーと買い手候補

本稿でいうベストオーナーとは、譲渡価格が最も高い相手に限らず、顧客・従業員・サプライヤーとの関係を維持しながら事業を続け、伸ばせる相手を指します。事業の買い手候補は、対象事業との関係から次のように分けられます。

  • 合弁相手:事業を熟知している。三菱自動車の例では、GACが合弁会社の生産能力を自社のEVブランドで活用した
  • 現地企業:現地市場向けの事業や製造拠点を取得する。明治HDの例のほか、前述の当社集計では、2026年第3四半期の中国での売却・一部譲渡の大半で、中国企業または現地企業が買い手だった
  • 同じ地域で事業を広げる日本企業:既存の拠点や顧客と組み合わせて、事業を取得する
  • 第三国の企業:その地域で事業を広げる海外企業が、現地の拠点や顧客基盤を取得する

事業として引き継ぐ相手が見つからない場合でも、スズキの例のように、隣接地に拠点を持つ企業が用地・建屋の買い手になることがあります。

撤退M&Aが成り立てば、雇用と取引関係が続き、売り手は清算に伴う補償金や期間の負担を抑えたうえで、一定の対価を回収できる可能性があります。ただし、すべての案件が譲渡に向くわけではありません。事業の継続性、資産の性質、許認可、環境対応、労務上の制約、買い手側の戦略との整合といった条件が揃う必要があります。


海外撤退の選択肢比較:清算 vs 事業譲渡

比較の前提:撤退の目的と判断の時期

最適な撤退の方法と相手は、撤退の目的によって変わります。事業ポートフォリオの再構築、不採算事業の縮小、生産拠点の集約、取引の継続など、海外事業撤退の目的を先に定め、あわせて譲渡価格や雇用の扱いについて受け入れられる条件の下限を決めておくと、選択肢を同じ基準で比べられます。

判断の時期も選択肢を左右します。スズキのタイ工場は、ピーク時に年6万台を生産していましたが、閉鎖を発表する前年度の生産は7,579台でした。この事例とは別に、当社の見立てとして、生産・販売が減り赤字が定着した後では、操業中の事業として買い手に引き継ぐ余地が狭まり、清算か資産売却に選択肢が限られやすくなります。撤退の初期段階で清算に結論を固定せず、譲渡を含めて比較することで、取り得る選択肢を残せます。

清算・資産売却・撤退M&Aの比較表

観点現地法人清算(解散・清算)閉鎖後の資産売却撤退M&A(持分・事業の譲渡)
撤退コスト補償金・契約解除金・原状回復費用が発生する。資産の個別処分で一部を回収する補償金・契約解除金は発生する。用地・建屋・設備のまとめての売却で一部を回収する持分譲渡では補償金の多くを回避できる可能性がある。価格の交渉で譲歩を求められる場合がある
期間と人員清算完了まで責任者・管理機能が必要閉鎖と売却の完了まで責任者・管理機能が必要譲渡の完了後は関与を縮小できる。買い手の探索と交渉に期間を要する
雇用・取引とステークホルダー雇用・取引は原則として終了し、地域・取引先への影響が表面化しやすい雇用・取引は原則として終了する。買い手には用地・建屋・設備が移る持分譲渡では雇用・取引が原則として続く。承継先によっては摩擦を抑えられる
情報管理解散の公表と、従業員・取引先への告知の時期の設計が必要清算と同様社名非開示の打診と、段階的な開示の設計が必要
適する局面事業の継続性が乏しく、引き継ぐ価値がない場合事業は続けられないが、用地・建屋・設備に価値がある場合事業・人材・顧客に引き継ぐ価値がある場合

情報漏洩リスクを抑える撤退M&A:ノーネーム打診/社名非開示ティーザー

簡易ティーザーと段階的な開示

当社の経験では、撤退M&Aを検討する際、経営陣が最初に懸念するのは情報漏洩であることが少なくありません。撤退の検討が外部に伝われば、従業員の離職、取引先による発注の見直し、競合による顧客への働きかけなど、譲渡の前に事業の価値が下がる事態が起こり得ます。この懸念は、打診の進め方と開示の順序を設計することで抑えられます。

実務上は、アドバイザーを通じ、社名を伏せた数ページ程度の概要資料(簡易ティーザー)で初期の打診を行います。最初から詳細資料や機微な情報を広く開示せず、ノーネームの概要で候補先の関心と適合性を確かめ、次の段階に進む相手にだけ、秘密保持契約(NDA)を結んだうえで段階的に情報を開示します。打診先の数と開示の範囲を必要な範囲に限ることで、情報が広がる経路を減らせます。

データルームと関係者への説明の準備

開示の管理は資料だけでは完結しません。アクセス権限を管理したデータルームの運用、段階ごとの開示範囲の設定、従業員・取引先・現地当局への説明の時期と内容の準備が必要です。合弁の場合は、合弁契約の秘密保持条項や、合弁相手の優先購入権の扱いも、打診の順序に影響します。

清算を選んだ場合でも、解散の決定と、従業員・取引先への告知は避けられません。準備のないまま断片的な情報が伝われば、清算でも同じ混乱が生じます。どの方法を選ぶ場合も、情報の出し方を事前に決めておくことが、選択肢を保つ前提になります。


おわりに:海外拠点撤退を「託す」判断へ

海外拠点の撤退は、企業にとって容易な決断ではありません。2024年度には716社の現地法人が進出先から撤退しており、海外事業撤退は多くの日本企業にとって現実の選択肢になっています。清算に結論を急ぐ前に、「この事業のベストオーナーは誰か」という問いを置き、清算、閉鎖後の資産売却、撤退M&Aを同じ観点で比較することで、企業にとっても、従業員や取引先にとっても、より良い着地を選べる可能性があります。

Syntax Partnersは、日本のM&Aアドバイザリーファームです。FA専業として、一つの案件では売り手・買い手のいずれか一方のみを支援し、売主様・オーナー様の利益を最大化するアドバイザーとして、海外子会社・合弁持分の譲渡を支援しています。清算との比較検討の段階から、買い手候補の選定、社名非開示での初期打診、交渉、取引の実行までを一貫して担います。買い手候補には、合弁相手、現地企業、同じ地域で事業を広げる日本企業に加え、第三国の企業も対象とします。

買い手側では、海外での事業取得を検討する企業に対し、戦略に基づく対象候補の調査・リスト化、オーナー・親会社への直接の打診、交渉、取引の実行を支援しています。


FAQ

Q1. 海外拠点撤退で、現地法人清算の撤退コストが膨らみやすいのはどのような局面ですか。

勤続の長い従業員が多い拠点と、設備を持つ製造拠点です。解雇時の補償金は各国の法令で最低額が定められており、タイでは勤続20年以上の従業員に賃金400日分、中国では原則として勤続1年ごとに月給1か月分の支払いが必要です。製造拠点では、原状回復義務、設備の撤去・廃棄、環境対応が加わり、見積もりの難しい費用が重なります。

Q2. 工場閉鎖や拠点閉鎖の撤退スケジュールで、見落とされがちなポイントは何ですか。

清算は解散の決議で終わらず、手続きの完了まで期間を要し、その間も現地の対応が続く点です。JETROクアラルンプール事務所のガイドは、マレーシアの任意清算に決議から18〜36か月程度を要するとしています。また、JETRO北京事務所の資料は、中国の事業再編・撤退には、方法を問わず半年から1年前後の事前準備が必要となる可能性があるとしています。

Q3. 撤退M&Aを検討する際、情報漏洩リスクはどのように抑えられますか。

アドバイザーを通じ、初期は社名非開示の簡易ティーザーでノーネーム打診を行い、関心と適合性を確認できた候補先にのみ、NDAを結んだうえで段階的に情報を開示します。打診先の数と開示の範囲を必要な範囲に限ることで、情報が広がる経路を減らせます。

Q4. 社名非開示のティーザーは何ページ程度が一般的ですか。

案件の性質によりますが、初期打診の目的は関心と適合性の確認であるため、数ページ程度の概要に絞り、機微な情報や社名を特定できる情報は次の段階で開示するのが一般的です。

Q5. 清算と撤退M&A(持分譲渡・事業譲渡)は、どの観点で比較すべきですか。

撤退コスト、期間と人員、雇用・取引とステークホルダー、情報管理の4つの観点です。あわせて、工場を閉鎖したうえで用地・建屋を売却する方法も比較の対象になります。撤退の目的と、受け入れられる条件の下限を先に決めておくと、選択肢を同じ基準で比べられます。


参考(本文で参照した資料)


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