
インド出張後の雑感。
未来都市を思わせる光景が広がるムンバイの金融街BKC。ここは、今年、住友不動産が州政府から80年の借地権付きで土地を取得したとも報じられた、インド有数の不動産開発が今まさに進むエリアでもある。高層ビルの谷間を歩くと、日本のビジネス街よりもはるかに若い人たちの姿が目に入る。急成長を遂げるこの国の頭脳が集まり、野心が火花を散らしているようにも見えた。
現地のバンカーは羽振りが良い。投資銀行部門の管理職の報酬水準は今や香港やシンガポールを上回るとBloombergが報じていた。マーケットは上昇軌道にあり、大型案件が続いている。数字の裏にある熱気を、街の空気が物語っていた。
一方で、日本企業の影は薄く、東南アジアと比べて相対的なプレゼンスの低さは否めない。現地で何度も耳にした言葉は「日本企業は決断が遅い」。巨大な国内市場、欧米、中東にも近く潤沢なマネーを引き寄せる国内証券市場。英語という武器を持つ国。待っていても、よいディールは回ってこないのは明白だ。
世界三大商人と呼ばれる国の人々を前に、日本的な奥ゆかしさや慎重は決して美徳ではない。少なくともこの国に挑戦するのであれば、その殻を破り、主体的に仕掛ける覚悟が問われているのだろう。
インド定番のチャイを片手に街を眺めながらそんなことを考えた。